トップ > レース情報 > レース情報 > 第64回 姫山菊花賞
船橋のパワーブローキングが外から豪快に差し切って重賞初制覇を果たした。勝ち時計は1分51秒9。川島正太郎騎手は15年の船橋記念以来、9年ぶりの重賞制覇だった。首差の2着には摂津盃馬のミステリーボックス、摂津盃3着からの巻き返しを図ったキリンジは積極的に先行したが粘り切れずに3着だった。
「馬を信じて乗りました」。川島騎手の思いが伝わったレースだった。スタート後は行き脚がつかずに後方から進めたが、序盤から手綱を動かさず、馬のリズムに合わせて冷静に騎乗した。向正面で一気にペースが上がったところでスパートを開始。大外を回らされる展開になったが、3角手前から1頭ずつかわしていくと直線に入ってもその脚色は際立ち、内から抜け出したミステリーボックスや4角先頭から粘り込んだキリンジを外から捉えて悲願の初タイトルを手にした。
川島騎手は「この馬に乗るのは3回目でどれぐらい脚を使ってくれるのか把握していたので、焦る必要はなかった。展開も有力馬が前にいてちょうどいい目標になりました。ここからさらにステップアップしてさらに強い相手にも挑んでいきたいです」と話した。
佐藤裕太調教師はJBCクラシックへの名言は避けたが、「今日は騎手がうまく乗ってくれました。輸送慣れしていますし、距離短縮も良かったように思います」と振り返った。
2着のミステリーボックスは逃げた同厩舎のウインドケーヴの後ろにつけて好位置をキープし、直線では一度抜け出すシーンがあったが、外の勝ち馬の伸びが上回った。吉村騎手は「今回は枠も良かったですし、立ち回りもうまくいった。ブリンカーを着用しているのも好走につながっている。今後は外々を回したときに同じように集中して走れるかどうかですね。距離は延びても問題ないと思います」と話した。
3着のキリンジは積極的に2番手から運んで下原騎手の思惑通りの展開になったが、最後まで粘り切れなかった。「乗り難しい馬です。ペースが流れたときにはいけると思いましたが、最後は伸びきれませんでした」と首をかしげた。
■プロフィール
松本 健史
(まつもと たけし)
日刊スポーツ